다해 연중 제20주일 (루카 12,49-53)

다해 연중 제20주일 (루카 12,49-53)

주님의 평화

　찬미예수님! 요즘에는 종교를 갖는 이유에 대해 많은 사람들이 마음의 평화를 이야기합니다. 이것이 종교의 순기능이라고 볼 수도 있겠지만, 역으로 생각하면 그만큼 이 시대를 살아가는 사람들의 마음이 산란해져 있다는 이야기일 수도 있습니다. 사실 종교는 진리와 관련되어 있습니다. 즉, 평화도 진리와 연결되어 있는 것입니다. 진리가 왜곡되면 왜곡될수록 우리는 평화롭지 않습니다.

　예수님께서는 평화에 대해 이렇게 말씀하신 적이 있습니다. “내가 주는 평화는 세상이 주는 평화와 같지 않다.”(요한 14,27) 예수님께서 주시는 평화는 어떤 것이길래 세상이 주는 평화와 다르다고 하신 걸까요? 게다가 예수님께서는 오늘 평화가 아니라 분열을 일으키러 오셨다고까지 하십니다. 예수님께서는 우리에게 평화를 주시는 분이라고 알고 있었는데, 이건 또 무슨 말씀일까요?

　이 말씀의 뜻을 헤아리기 전에 우리는 우리가 지금껏 알고 있었던 평화에 대해서 다시 한 번 생각해 볼 필요가 있습니다. 평화에 대해서 우리는 어렴풋이 알고는 있지만, 평화가 뭐냐고 묻는다면 쉽게 답할 수가 없습니다. 그도 그럴 것이, 평화의 개념은 시대가 변하면서 조금씩 달라져왔습니다. 팍스 로마나(Pax Romana)라고 불리는 정치적인 평화가 있는가 하면, 인도어 샨티(śānti)가 뜻하는 내적인 비정치적 평화도 있습니다. 사회정의의 실현이나 국가 분쟁의 해결을 뜻하는 평화가 있는가 하면, 모든 사람들의 복지와 안녕을 뜻하는 평화도 있습니다. 사전을 찾아보면 평화는 단순히 전쟁이나 갈등이 없이 세상이 평온한 상태를 말하지만, 세상은 단 한 번도 이런 평화를 가져본 적이 없습니다. 세상이 주는 평화는 늘 상대적인 것이었기 때문입니다.

　그렇다면 이런 세상 속에서 살아가는 우리는 오늘 분열을 일으키러 왔다고 하신 예수님의 말씀을 어떻게 이해할 수 있을까요? 단순하게 생각해 볼 때, 예수님께서 주시는 평화는 절대적인 것이기 때문에 분열이나 갈등이 있을 수 없다고 생각할지 모르겠습니다. 그런데 예수님께서 주시는 평화는 그 반대입니다. 분열이나 갈등이 없는 것이 아니라, 분열이나 갈등 속에서도 존재하는 평화입니다. 그런 평화가 있을까 하고 생각할 수 있지만, 이미 많은 사람들이 이 평화를 증명해주었습니다. 그들이 바로 그리스도를 따라 죽어갔던 많은 우리 선조들과 순교자들입니다. 그들은 박해 속에서도 평온함을 잃지 않았습니다. 오히려 평온함을 잃을 수가 없었습니다. 그들은 참된 진리를 알고 있었기 때문입니다. 모든 사람들이 두려워하는 무서운 형벌 앞에서 오히려 그들은 누구도 보여줄 수 없는 온화한 미소와 평온한 모습을 보여주었습니다. 많은 외교인들은 그 모습을 보고 너무나 놀라워했으며, 그들이 가진 믿음 안에 참된 진리가 있음을 부정할 수 없었습니다.

　예수님께서 분열을 일으키러 왔다고 하신 것은, 바로 그 속에서 예수님의 참된 평화가 가장 극명하게 드러나기 때문입니다. 예수님께서 주시는 평화를 우리가 누릴 수 있다면, 우리는 우리가 어디에 있든지, 어떤 상황에서든지 평화로운 사람으로 살아갈 수 있을 것입니다.

(일본어 역)

Ｃ年　年間第20主日（ルカ12章49～53節）

　最近、宗教を信じる理由について多くの人が心の平和を挙あげています。これが宗教の順じゅん機き能のうであるとみることもできるでしょうが、逆に考えるとそれほど今の時代を生きている人々の心に落おち着つきがなくなっているとも言えます。宗教は真理と関連があります。平和も真理とつながっています。真理が捻ひねじ曲まげられれば曲げられるほど、私たちは平和ではありません。

　イエス様は平和について次のように話されています。「私が与える平和は、この世が与える平和と同じではない」（ヨハネ14章27節）。では、イエス様がくださる平和は、この世が与える平和とどこが違うのでしょうか。それに、イエス様は今日、平和ではなく分ぶん裂れつを起すために来たとまでおっしゃっています。イエス様は私たちに平和をくださる方だと思っていたのに、これはどういうことなのでしょう。

　このことばの意味について考える前に、私たちは今の時点で知っている平和について、あらためて考えてみる必要があります。平和について私たちはなんとなく知ってはいますが、平和とは何かときかれたら簡単には答えられません。それもそのはず、平和の概念がいねんは時代が変化するにつれて少しずつ変わってきました。パックス・ロマーナ（ローマの平和）と呼ばれる政せい治じ的てきな平和がある一方で、インド語のシャンティが意味する内的で非政治的な平和もあります。社会正義の実現や国家紛争ふんそうの解決を意味する平和がある一方、あらゆる人々の福祉や安寧を意味する平和もあります。辞書を調べると平和は単に戦争や葛藤かっとうがなく世界が平穏へいおんな状態のことを言いますが、世界は一度もこのような平和を経験したことがありません。世界が与える平和は常に相対的そうたいてきなものだったからです。

　では、こうした世界の中で生きている私たちは、今日、分裂を引き起こすために来たと述べられたイエス様の言葉をどう理解すればいいのでしょうか。単純たんじゅんに考えると、イエス様がくださる平和は絶対的なものなので分裂や葛藤はあり得ないと考えるかもしれません。ところが、イエス様がくださる平和はその反対です。分裂や葛藤がないのではなく、分裂や葛藤の中でも存在する平和なのです。そんな平和があるのだろうかと思うかもしれませんが、既に多くの人々が証明しています。それはキリストに従って死んでいった多くの私たちの先祖や殉教者です。彼かれ等らは迫害の中でも平穏さを忘れませんでした。いや、むしろ平穏さを失うことができませんでした。それは本当の真理がわかっていたからです。だれもが怖こわがり恐れる刑罰けいばつを前にしても、かえって温和おんわな笑えみや平穏な姿を示しました。信者でない多くの人々は彼らの姿を見て非常に驚き、彼らの心の中にこそ真理があることを否ひ定ていできませんでした。

　イエス様は分裂を引き起こすために来たとおっしゃったのは、その中にこそイエス様の本当の平和が最もはっきりと表れるからです。イエス様がくださる平和を私たちが得ることができるなら、私たちはどこにいようとも、またどんな状況にあろうとも平和な人として生きていくことができるのです。